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佐賀錦の教本、二冊目到着

本家本元お家元的な意味で鹿島錦という名称にこだわりたいYO-NETの中の人としては、忸怩たる想いはあるのですけれど、佐賀錦の教本が届きました。「佐賀錦入門――伝統技法と作品鑑賞」。後一冊、絽ざしと佐賀錦を組み合わせた本があるらしいのですが、悲しいかな、amazonではSOLD OUT。国会図書館に複写の申し込みでもしようかな――と思ったら、古書検索でヒット。とりあえず福岡の古書店から取り寄せてみます。

佐賀錦入門の方は、著者は俵藤照という福島出身の方で、ご近所の方に手ほどきを受けられたとのこと。鹿島錦の名称には言及されていませんでしたが、鹿島藩で技法が育まれたという点に関してはきちんと記載してあり、しかも網代編の天井の写真まで掲載してありました。技法書としては、佐賀錦―基礎織から応用までの方が充実しているのですけど、掲載されている折り鶴の図案に限っては、こちらの方が好きかも。それに、こちらの方が鹿島錦により近い印象を受けました。

冥福を祈りつつ

長らく佐世保に暮らし、折り紙教室の講師助手もつとめていた母方の大叔母が、昨夜鬼籍に入りました。最近は体調もすぐれず、生涯の趣味だった折り紙もまったく出来ずにいましたが、まだ元気だったころ、おりがみ陶芸の兜と蝶を折ってもらった時に、驚くほど丁寧に折りあげたのを見て、さすがだなと感心させられたということがありました。兜に関しては、他のご利用者の方の作品と一緒に、昨年東京で開催された「ものづくり匠の祭典」の、おりがみ陶芸センターのブースにて展示され、来場された福祉関係者の皆さんの耳目を集めたとのことです。

ちょうど昨日、命日に陶芸センターに預けてきた蝶に添えて、子宝に恵まれることなくとも、多くの甥姪に囲まれて余生を過ごすことが出来た彼女の人生に、短歌を一首捧げます。

焼き折りぬ
蝶の鱗翅に
御霊(みひ)託し
願う
佐世保の空を
舞わんと

アジサイ試作 その2

一回目のアジサイの試作が完了しました。

一応焼けたことは焼けましたが――

塩窯のように、パールガラスの中に完全に包んで焼いたため、萼片の裏のパールガラスがなかなか取れずに苦労しました。ああもう振って落としちゃえとぶんぶん振って、勢い余て机にぶつけて一部が破損する始末。

くじけず釉薬をかけて再度焼成。

仕上げにラインストーンを接着して完成。これがまた個数が足りなくてもうね。

【反省点】

・パールガラスを掃う時は慎重に。形状によってはエアダスターや急須用ブラシなどが必要。
・釉薬が少々薄かったかも。
・萼片を立体的にせずに、がっつり土台に貼り付けた形も試してみる。
・その他焼成前の反省点も考慮して、二回目の試作を行う。
・時間があれば、飾り用に、ガラスを溶かして葉にしてみる。

レクリエーションとしてのおりがみ陶芸

通所介護でおりがみ陶芸を取り入れる際に、レクリエーションとして取り入れるのか、あるいは個別機能訓練加算として取り入れるのか、あるいは加算を算定しない機能訓練として取り入れるのかでも、取り組み方は違ってくると思います。おりがみ陶芸の作品を制作する過程で用いる「折る」という行為は、手紙を封書に入れたり、届いた郵便物を整理するという作業に通じますし、泥漿を塗る、あるいは描くという行為は、それ単独で筆を動かす訓練になります。カッターやハサミで切る、切ったものを貼る、出来上がったものに名前や目印を書くなど、いくつもの作業を連続して行い、定期的に繰り返すところも、手指の機能だけでなく、新たな手続き記憶の獲得と、それに伴う自信の回復などにもつながるでしょう。そういう点では、プログラム(とローカルルール)次第で、個別機能訓練加算Ⅱの算定が出来るかな? という気もするのですけど、加算の算定要件として、定期的なモニタリング以外に、「機能訓練指導員から直接指導してもらう」という項目があるとのことで、現在看護師が機能訓練指導員を兼務しているうちの事業所では、その時点で算定が難しく、おりがみ陶芸をそのまま訓練のためにプログラム化するということはしていません。機能訓練の時間は、歩行訓練や立ち上がり、発声の訓練などを優先しています。この場合、機能訓練指導員としては常勤でも専従でもないため、加算Ⅰが算定できず、結果としては、完全にサービスで実施しています。

おりがみ陶芸を取り入れたレクは、心身の両面に影響を与えますので、いいことづくめのように思われますが、実際に介護の現場でおりがみ陶芸を継続的に取り入れるには、いくつか注意しなければならないことがあります。認知症の方の異食や呼吸器疾患の人に留意するというのは当然の義務です。他にも、コストの問題、焼成の問題などがあります。私がデイサービスのレクとしておりがみ陶芸を取り入れた理由の一つに、以前に家庭用電気炉を事業所で購入していたというのがあげられます。電気炉がなければ、もしかしたら「面白そうだなあ」と思うだけで、実際に制作に取り組んだりはしなかったかもしれません。それと、うちの事業所は、佐世保に車で日帰りで行ける距離にあるということで、気軽に訪問できますし、いろいろと陶芸センターの皆様に助けていただいています。遠方の方は、メールや電話でも親切にご教示くださるので、気になること、知りたいことがおありでしたら、是非コンタクトを取られることをお勧めします。

介護度だけで言うなら、要介護4の方でも、蝶や鶴の制作は可能でした。ただその方は、主に認知症での認定で、ADLには特に不安がなかったので、陶芸紙を折るという手順に関しては、スムーズに実践されました。もっとも、数分おきに自分が取り組んでおられることを忘れられるため、その都度一から説明しないといけないというのはありましたが、それは認知症の方の介護の現場ではありがちなことで、事前に想定されていたことなので、特に問題にはなりませんでした。

身体状況のみの認定の方の場合は、特に上半身の機能、後遺症としての手のしびれや動かしづらさ、あるいは片麻痺などがあられる方は、どの方も消極的になられました。昔出来たことが出来なくなっているという現実を突きつけられるのが苦になるという印象を受ける方、または単に昔から手作業が苦手という方など、それぞれでしたが、作りたいけど出来るかどうかわからないという方に関しては、横につきっきりで手伝って差し上げることで、充分鑑賞に値する作品を制作され、自信の回復にもつながりました。

「(町の)文化祭に出品しましょうね」とお伝えすると、皆さん面映ゆくなられるようですが、期間中、町内の福祉事業所専用エリアにあつらえた事業所のブースに、音年、去年と、二年続けてレクリエーションでの作品として出品させていただきました。ご覧になられた方が、「紙? 焼き物?」とまず戸惑われ、その後焼き物だとわかると、一様に驚かれるので、事業所の良い宣伝にもなっていると思われます。今年もいくつか共同制作を行い、出品する予定です。

継続という点を考慮すると、一番いいのは、手作業やクラフトが好きなスタッフが、陶芸センターやインストラクターの元で講習を受けて、制作指導することなのですが、介護職が制作にはまってしまうと、どうしても、本業の介護に必要な見守り、介助が手薄になってしまいますので、そのあたりも配慮しないといけません。私の場合は、現時点では通常は事務として勤務している関係で、材料持参で事業所に行っても、介護職が不足するということにはならないのですが、人員基準をクリアするぎりぎりの人数でシフトを組まざるを得ない事業所では、ボランティアの方に慰問という形を取ってもらうなどした方が良いかと思います。

焼成に関しては、電気炉を所持、または購入予定でなければ、陶芸センターに依頼するか、お近くのインストラクターで焼成が可能な方に委託するか、あるいは電気炉やガス炉のある自治体や近隣の事業所・病院に相談して焼成してもらうか、いずれかの方法を取らないといけません。この場合、陶芸センターやインストラクターであれば、おりがみ陶芸の焼成手順がわかりますけれど、おりがみ陶芸の焼成経験がないところに依頼する場合は、最低限パールガラスの購入した上で、「さや鉢などに入れ、周囲をパールガラスで埋めて姿形を保持し、まず本焼きの温度で焼成をして、取り出して釉薬を塗った後、今度は素焼きの温度で二度目の焼成をお願いします」というような伝え方をしないといけません。手順が通常の陶芸と違うので、面倒がられることもあるでしょう。ですので、外部に依頼する場合、陶芸作品としての持ち味や印象は薄れますけれど、高温焼成だけを依頼し、ニスやエポキシ、あるいはレジンなどで仕上げをした方が取り組みやすいです。レジンなどの場合、ガラス質の釉薬と違い、割れにくくなるというメリットもあります。ただ、この場合、コーティングする素材によっては劣化し変色することが考えられます。釉薬を塗れない接地面で、家具や調度品に傷がつかないように、レジンを塗ることがありますが、見た目は釉薬とさほど違わず、境目もほとんどわかりません。また、レジンは作品の接着用にも使えます。食器用エポキシは、オカリナでも使われているので、レジンよりはイメージはしやすいでしょう。なお、高温焼成後の釉薬の固着だけなら、七宝用の小型電気炉でも可能です。

陶芸紙や関連材料の値段ですが、陶芸紙に関しては、インストラクター初級コース受講者は一割引き、中級コース受講者は二割引きで購入できるという特典があります。泥漿、パールガラス、耐酸透明釉薬に関しては、割引価格は設定してありません。釉薬は業者からの仕入れとなっているとのことで、値段はそのままその仕入れ先の販売価格が反映されています。

材料の販売価格などは、別途まとめています

自衛隊 贈呈品

おりがみ陶芸で折られた折り鶴は、日本国内よりも国外で高い評価を受けています。こちらは、自衛隊から米軍への贈呈品です。おりがみ陶芸センターから資料として写真をいただきました。

和柄の鶴が座布団の上にちょこんと座っていると、それだけで落語っぽいですね。おそらく27cm四方の紙を重ねて折られたものでしょう。かなり大きいです。柄はマクラメでもおなじみの七宝。

27cmサイズの陶芸紙が欲しい場合は

①最大サイズの紙を買って自分でカットする
②陶芸センターに特注で依頼する

かしないといけません。私の場合は迷わず①。最近は特大サイズでしか購入しておりません。

介護事業所とおりがみ陶芸

陶芸というと、デイケアなどのリハビリメインのサービスが思い浮かびますが、おりがみ陶芸に関しては、2017年5月現在、地域密着型デイサービスなどが主体となっているようです。検索の結果ヒットした、おりがみ陶芸をレクリエーション、あるいは機能訓練の一環として取り入れている事業所を紹介します。継続的に実施されているかどうかまでは未確認です。

折る・切る・描く・貼るという複数の行為を組み合わせた創作が出来ますので、人員基準を満たした上で、相応のプランを立て、定められたモニタリングを適切に行えば、通所介護個別機能訓練加算Ⅱであれば請求出来ると思われます。

ケアステーション暖さん

国内で最初にレクリエーションとして「おりがみ陶芸」を取り入れられた神奈川県相模原の事業所です。居宅介護支援事業所と通所介護事業所を運営されているとのこと。製作者ごとに特徴が出るおりがみ陶芸ですが、ケアステーション暖さんの場合は、ラメでキンキラしており、見た目がよりゴージャス。関東以東の普及の中核を担われているようで、陶芸センターとのつながりも深いご様子です。

デイサービス南国の唄さん

サイトの構成から察するに、暖さんと同じ経営母体でしょうか。こちらは埼玉県の地域密着型通所介護です。地域密着型というのは、従来の小規模型の通所介護が制度変更で呼び名が変わったものです。以前は4月から2月の各月の利用者数からややこしい計算をして、平均人数が300人未満であれば小規模型とみなされていましたが、28年度の制度変更により、利用定員(占有面積と人員基準による計算)19人未満の事業所はすべて地域密着型通所介護に分類され、管轄が都道府県から各市町村、もしくはその市町村が所属する広域連合などに移動しました。

デイサービス翼さん

やはり暖さんと同じ経営母体なのでしょうか? 詳細はわかりかねますが、東京では予防支援の方はデイで入浴できなかったりするとか。そのまま総合事業もそうなのでしょうか。翼さんの場合は「入浴可」。素晴らしい。しかも通所介護は三単位制のようです。私の経験からいっても、通常規模型以上の通所介護より、地域密着型、かつ10人定員の事業所の方が、制作指導はしやすいです。

いばらきのケアさん

リンク集にあるおりがみ陶芸センターのサムネイルが懐かしくて保存してしまいました。名称からわかるように、茨城県内のデイサービス&居宅介護支援事業所です。

ぽかぽかハートさん

新潟県内の入浴特化型デイサービスです。短時間のデイであるにも関わらず、おりがみ陶芸を作業に取り入れられていてすごいなあと、個人的には思います。人によっては陶芸がメインで入浴はオプションという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ほたる阿久比さん

とうとう愛知県まで到達してしまいました。インストラクターとして、各県におりがみ陶芸ができる事業所が一つは欲しいところ。アニマルセラピーなども取り入れられているようです。施設内通貨などのアイデアは斬新ですね。

一本松デイサービスさん

どこにリンクを張ればいいのかわからない……介護情報公表サービスのページの方がいいのかな? 群馬県でもおりがみ陶芸が出来るとのことです。宿泊可能なデイサービスです。

おまけ

特定非営利活動法人ゆたたり

中の人が時々ご利用者様とやっています。西九州短期大学の学生さんが発行された「介護のたまご通信」にも取り上げていただきました――というより、私が記事を送りました。ええ送りましたとも。

佐賀県は、介護保険開始当初より、介護保険事業と自主事業を組み合わせた「宅老所(現呼称は「地域共生ステーション」)」の設置を推進してきました。今後さらに重要性が増す地域福祉の拠点の普及を目指してのことです。デイサービスをご利用後に、自主事業スペースでの宿泊なども、基準を満たせば許可されてきましたので、そういう意味では、我が県の試みは非常に先駆的だったと言えます。