眠い

 風の音でほとんど眠れず、PrimeVideoに逃避。

「幕末太陽傳」はフランキー堺主演。居残り佐平治をベースに、品川心中、五人廻し、三枚起請、お見立てなど、廓噺に分類される落語の演目のエピソードをふんだんに取り入れた映画。一部だくだくなどもあった気がする。キャストは、品川の妓楼街でくすぶる高杉晋作が石原裕次郎。左幸子は女王バチ系人気女郎で、対するハナカマキリ系が南田洋子。コメカミに何か貼りっぱなしの妓楼の女将は山岡久乃。番頭上がりの主人は金子信雄。若い衆の喜助がすっきりスリムな頃の岡田ファンファン真澄。廓話ではおなじみ遣り手婆には菅井きん。他に二谷英明や相変わらずの怪演が際立つ小沢昭一など。

 病が進んでいたということや、出立のための焦りもあるだろうけど、あれだけ縦横無尽の立ち居振る舞いを見せた算段の達人佐平治が、なぜ杢助大尽相手にはその才覚を微塵も発揮できなかったのか、釈然としない。その部分が一番の瑕疵。演出として果たして必要だったのか。ファンファン喜助にその役を当てて、陰から助ける役を佐平治にやらせた方が、よほど筋立てとして納得できるような。私が落語好きだからか、全編通して面白いなと思いながら観ていたので、そのシーンだけやたらと陥没した印象。ラストも不可解だと感じてwikipediaを読んだところ、監督の本来の意図とは違う演出を無理強いされたらしい。最後まで佐平治の突き抜けた行動力と先見性を表現したいのであれば、監督の構想をそのまま表現した方が絶対に良かった。脚本も演出も演技も丁寧だっただけに、残念。

「道場破り」は、飄々とした浪人を演じさせたら天下一の長門勇の初主演映画らしい。霊界の 押し売り 宣伝マンこと、丹波哲郎の凛々しさときたら。ヒロインは後年極道の妻になったりテーマパークのCMに出たりする岩井志麻と、あんみつ姫みたいな出で立ちのハウルの動く城のおばちゃん少女倍賞千恵子。こちらも面白かったが、案の定という展開に、時代劇の様式性という、二本柱の安定性あればこそ。

 次はグランド・ブダペスト・ホテルを観ないといけない。キリシタン関連の本も読みかけているので、そちらも。