AmazonVideo四連発

 腰の痛みを抱えつつ、仕事をしたり動画を観たり。ただごろごろするのももったいないということで、溜まっていたAmazonVideoを消化中。

「シリアスマン」は、コーエン兄弟の作品らしいが、ファーゴですら未視聴の私にはとっつきにくかった。しかもジューイッシュコミュニティに興味があるわけではないから、端々に不可解な部分が散見され、気がそがれて仕方なかった。当時の世相や音楽や、ユダヤ文化に興味がある人でないと、適切な解釈は出来ないのかも。そもそも解釈する必要があるのかどうかすらわからない。冒頭のアイスピックで刺されるおっさんのくだりにしても、結局何だったんだか。あれに引きずられたせいで、内容に集中できなかったというのもある。年齢を重ねるとすっきりした話の方が観ていて落ち着くのに、わかりやすい答えを呈示されることもなく、淡々と話が進み、時代劇的勧善懲悪とは対極に位置する作風にしたたか悩まされる。ラストの演出は、日本でいえば、台風前夜みたいな感じなのかな。全家庭のちゃぶ台を容赦なくひっくり返しますよ、的な。地味な作りで決して私向きではなかったが、好きな人は多分はまると思う。無理をして良いと感じた点をあげるなら、主演がマイケル・スタールバーグだったこと。彼は私が妙に存在が気になる俳優ランキングのトップ3に入るので、そういう意味で。顔の印象が記憶にダイレクトに残る俳優トップ3と言い換えてもいい。MIB3とリンカーンで残像に打ちのめされたから。ちなみに残り二人はキャシー・ナジミとレベル・ウィルソン。好きとか嫌いとかいう二元論には収まり切れないくらいに私の脳内に強烈な残像として残るわけ、この三人は。絶対何かの幼児体験が関係しているはず。

 シリアスマンの不条理が過ぎて、消化不良に陥り、腰も痛いしもっとわかりやすい映画を!! という魂の叫びに引きずられるようにして選んだ邦画が「地獄」。ええと、不条理さではこちらも負けてはいなかった。ただ、シリアスマンと違い、ツッコミどころも多かったため、見終えた時の感想はより卑近。何これ。昔懐かしうる星やつらの錯乱坊のように、薔薇の花とともに突然出てくる謎キャラ田村の怪演に失笑し、主人公の四郎の性格にはイライラさせられ、絵に描いたようなクズ揃いの四郎の父親の交友関係には呆れ、地獄に入ってからの叫び声の連続には辟易させられた。ボリュームを下げたよ、たまらずに。つらつら考えてみるに、この作品に一番近い世界観を持つのは、つのだじろうの恐怖新聞かもしれない。表題となった地獄の情景も、亡者が浴衣を着て騒々しく渦を巻くように動き回っていたりするから、盆踊りに付随するイベントで集団椅子取りゲームをしているみたいで、どのように感情を処理していいのかわからずに、妙に困る。驚くべきか怖がるべきか笑うべきか。いずれにしても中途半端にしか感情を刺激されないため、どうしたもんだか。とりあえずはっきりさせておきたいことがあるとすれば、オープニングのエロは無駄ということ。まさに昭和の悪習。

 二本続けて辛気臭い作品になったことを反省し、心洗われる清々しい作風のものが観たいなと思った矢先にAmazonが勧めてきたのが、タランティーノのヘイトフル・エイト。もう、タランティーノという時点で心洗われるなんて無理だなと予想しつつも、勧められるままに観て、案の定沈没。いや、映画としては面白かったんだけど、脚本と監督を務めるのが修羅雪姫大好きタランティーノなので、とにかく人が死ぬ。銃を使って情け容赦なく頭ぱーん、手足ぱーんの連続で、心はすさむばかり。カート・ラッセルとジェニファー・ジェイソン・リー、二人が一緒に出ているのを観るのって、バックドラフト以来かも。

※シリアスマンと地獄の間に「必殺仕掛人」を観ていたのに、記憶が飛んでいた。野際陽子の悪女役が板につきすぎ。