こういう時こそ織らねば

 生憎というべきか、幸いというべきか、私は医療関係者ではないので、コロナウイルス拡散予防にオールインする必要がない。このような状況で専門知識も技術もない人間が恣意的に関わっても足を引っ張るだけだから、自分の手洗いに励んだり、周囲の高齢者の感染リスクを減らすための消耗品の調達や、厚生労働省からの通知を印刷して配布するなど、まあよく言って援護射撃程度に専念するのみ。

 結局、出来ることが限られているのであれば、その中で一番やりたいこと、また、一番やらなければならないことを自分で考えてやるしかないわけで、それが私の場合は、やはり物を作ること、とりわけ鹿島錦なんだろうなとという思いに至る。

 コロナの問題がなければ「是非開催中の作品展にいらしてください(*’ω’*)」なんて呑気な事を書くんだけど、うちの町はとにかく高齢化が著しく、町全体が限界集落に近い状況。生活圏内にウイルスを持ち込まれでもされたらシャレにならないから、歯を食いしばって控えている。

 ネットニュースによると、政府の虎の子のアビガン以外にも、複数の薬が対症療法に使われているとか。現場の医師や看護師の苦労は、私のような部外者では想像することすら出来ないが、一日も早く状況が落ち着いてほしい。私も消毒その他にたいがい疲れてきた。

 今はまだお元気な鹿島錦のラスボス兼生けるゆるキャラこと樋口先生も、いつか教室に来られなくなる日があるはずだが、50年以上率先して織り続けた方が、これが最後の教室と臨む機会がいずれ来るのなら、私も参加して、これだけ織れるようになりましたと、感謝の言葉を伝えたい。去年より大きい鶴もすでに焼いたし、織って仕立ててを繰り返して、その日を迎える準備をしていかなければという考えに駆られている。

 文字通り人生の半分を捧げて織り続け、かつ後進に指導されてきたわけだから、祐徳稲荷の神様、コロナ対策で教室が休みの時に先生が(ピー)なんてこと、絶対ないようにお願いいたします。