運が良けりゃ

 故初代金原亭馬の助師匠も出演。山田洋二監督の初の時代劇、らしい。オープニングが北斎漫画とジャズの組み合わせというのにまずやられた。しかも三味線まで。

 主人公はハナ銅像肇演じる乱暴者だが情に篤い熊。妹おせいが倍賞千恵子。一片も美化することなく徹底的に貧しく描いた裏長屋を舞台に、劇中の時間で一年をかけて住人の悲喜こもごもを描いている。脚本のベースになっているのは落語。突き落とし、妾馬、黄金餅、さんま火事、らくだなどのエピソードを組み合わせているので、尺のわりに展開が目まぐるしい。落語を知らない人が観たら、詰め込みすぎと受け取るかもしれない。それにしてもまさか、死人のかっぽれ(落語ではカンカンノウ)がすでに映像化されているとは知らなかった。

 左卜全も出演。まさか「やめてけーれげばげば」のおじいさんが、昔オペラの勉強をしていたとは。

 落語ファンはいろいろ楽しめること請け合い。

※渥美清はポスターの写真のような役ではないので念のため。