ファンタスティックMr.FOX

 ウェス・アンダーソン監督の作品は、突飛でシュールな少年少女の逃避行劇であるムーンライズ・キングダムと、謎の国日本を舞台にした犬ヶ島しか観たことがなかったが、ダージリン急行やグランド・ブダペスト・ホテルなど、観てみたい作品はいくつもある。ファンタスティックMr.FOXもその一つだった。ようやくというか、昨晩八時過ぎにエスプレッソを飲んでしまって眠れなくなり、二時頃から横になってタブレットで視聴。

 やりたいこととやるべきことに甚だしい乖離がある間って、生きるのがしんどいよなあと、奮闘するパパ狐を観ながらしみじみ思う。もともと関連するほとんどすべてのトラブルはこいつが原因で、自分で蒔いた種を自分で刈り取っただけなのに、いつの間にか持ち上げられているあたり、釈然としないが。

 一番感情移入できたのは、Mr.FOXの息子のアッシュ。偉大なアスリートでもあった父を持ち、反して両親とも周囲とも違いすぎる自身に鬱屈した少年。私も昔から変だの変わっているだの、耳が腐るほど言われ続けてきたので、思い出さなくてもよいことまで思い出してしまった。

 テンポ良く進むストップモーションアニメには、気負いなく臨める。寓話的な部分もなくはないが、そこまで深く考えて観るような作品ではないので、眠れない時にまた観る映画リストに入れておく。