両面テープは便利

 普通、鹿島錦保存会で、七宝用の銅板を使い、アクセ類の仕立てをする時は、銅板にまず和紙を貼るように教わる。これはおそらく、絹糸が直接接着剤を吸って変質・変色するのを防ぐために編み出されたスキル。ただ、これは絶対この手順でやらないといけないというわけではなく、A先生に伺った限りでは、「別に最初に銅板に和紙を貼らんでも、錦の方に貼ってから銅板に合わせていいとよー」とのこと。

 私の場合は、小さな銅版のサイズ調整以外では、和紙は貼らない。何を使うかといえば、両面テープ。普通、紙の面に両面テープを貼り、その後剥がすとき、貼って剥がせるタイプでなければ、どうしても紙の方を傷めてしまうのだが、錦の裏側に貼る場合は、通常タイプやより粘着力のあるタイプを使っても、実は綺麗に剥がせる。理由は単純。表も裏も、経紙の上を縫うように絹糸が這っている構造のおかげで、テープの粘着成分が紙まで届かず、糸にのみテープが貼りついているため。そのため、貼ったり剥がしたりを何度も繰り返せる。

 手順としては

  • 錦の裏側に両面テープを貼る
  • 銅板より大きめに錦をカットする
  • 剥離紙の上から爪でこすって、紙の部分にも粘着させる(これをやると簡単には剥がれなくなるが、失敗しても慎重に剥がしていけば問題ない)
  • 剥離紙をはがし、銅板を置いて、形を整える

 両面テープを貼って作業を行うことの利点は、糸ほつれしづらく作業が楽ということにつきる。その後土台に接着剤でくっつけるという作業は従来と同じ。

 これらはあくまでも私の場合の手順。ただ、ダメ出しされたことはないので、これはこれでいいんだと思う。

 両面テープを貼る時、細いものだと、何段も貼らないといけないが、その時テープとテープの間に隙間ができると、微妙なひずみが生まれることもあるため、最初から広いテープを使うといい。私はナイスタックの5cm幅を愛用中。

 以下、両面テープを使って錦を銅板に貼り付けた作品。断っておくが、あくまでも両面テープは銅板に貼る時にだけ使う。土台には着けるときはボンドを使用。それと、宣材ではないので写真はやっつけ。まずは自分用に十個くらい作ったしおり。ラインストーンの両カンパーツがきらきら。邪魔になるかと思って、結局文化祭には出さなかった。

 個人的に、今までの錦アクセで一番気に入っているのが、フレンチトリコロールのラリエット。マクラメジュエリー講座の課題の材料を流用して作った左右結びのコードに、淡水パールがなかなか通らず、結局五時間くらいかかったので、思い入れが深い。二十代前半の男子が、他のアクセを一切つけずに、上下黒で合わせて、これだけを着けるとかすれば、全体のバランスはとれると思うが、私の年代には絶対似合わないタイプの作りなので、外出するときにこれを着けることは生涯ないと思う。飾って楽しむか、母にやる予定。

 先生に頼まれて、金属製&銅板がはめ込める、印鑑入れ用の朱肉を検索した時に、サイズを間違えて頼んだ銅板を活用せんと、両カンのミール皿を使って作った三連ネックレス。出来れば金色のミールが良かったが、残念ながらシルバーしかなかった。フェミニンすぎるため着ける気はない。長さの合う淡水パールのネックレスとらせんにからめてから母にあげる予定。1.2mmの内径で、1cmの銅板を入れている。ちなみに金属製で銅板がはめ込めるタイプの朱肉入れをネット通販で扱っているのは、2020/03/08現在、ウェブショップツノダのみ。もともと七宝用ではないようだから、デザインが偶然鹿島錦保存会での使用目的と合致しただけなんだろう。A先生も今はこれを使われているはず。

 この中で、唯一銅板を使っていないのが、このリバーシブルペンダント。銅板代わりの物をレジンで作るのは面倒なため、二度としない。これも派手すぎるので自分では使わないつもり。