おりがみ陶芸の歴史とあらまし

おりがみ陶芸センターについて

おりがみ陶芸で用いる陶芸紙は、陶芸センターの代表取締役の田島氏が、内装業を営まれてきた過程で生まれたものです。完成するまでに、カワサキローズで、折り紙の世界では世界的に有名な、当時佐世保高専で教鞭を執られていた川崎先生のアドバイスもあったとのことです。実際に川崎先生が陶芸紙で折られたカワサキローズが、陶芸センターには展示してあります。

私が佐世保製の陶芸紙に初めて触れたのは、平成27年のこと。最初は、オカリナ作成の材料を調達するために、某陶芸資材の通販サイトの商品をチェックしていて、陶芸紙の存在を知りました。見た瞬間に、「これはデイのレクリエーションに使えるのではないか」と、さらに検索をして、九州の、それもそう遠くない佐世保でも制作されていると欣喜雀躍しつつ、陶芸センターにメールで連絡を取って、体験をさせていただいたのが、おりがみ陶芸の作品制作の皮きりでした。高校の頃から思いつくまま美術畑でちょこちょことした活動をしていた私でしたが、なかなか自分に適した画材が見つからず、油絵具やパステル、カラーインクや高級色鉛筆など、いくつもの画材を買っては飽きて無駄にしてきました。しかし、陶芸紙に関しては、怠けることはあっても飽きることなく、現在まで製作を続けることが出来ています。生きるのに疲れた時に折り鶴を折ると、心がふっと軽くなり、楽になりますので、余程相性がいいのだと思います。

ちょうど介護をしていた身内が、手芸が好きということで、出来れば一緒にやりたいと考えていたのですけど、あいにく私が職場での制作を実施する前に他界してしまい、はかない夢と化してしまいました。今でもそれが残念でならず、仏壇には、初めての体験会で作った、忘れられない折り鶴を供えています。

インストラクター講習会に関しては、初級・中級と受講しました。講習会の前、体験させていただいた時に、近くの有料駐車場に車を停めて、陶芸センターのあるマンションに着いたものの、正確な場所がわからず、管理人室の所で訊ねたら「地下です」と答えられたことを覚えています。地下といっても下の道路に面していて、マンションの構造からすれば地下ですが、実質、一階のテナント部分のようになっています。内部は、これまで制作されてきたさまざまなおりがみ陶芸作品が展示してあり、「ここまで多彩な表現でぎるのか」と、驚かされること請け合いです。

講習会の合間に、いろいろと講師の先生からお話しを聞かせていただきましたが、完成した陶芸紙を、陶芸で有名な地域に売り込みに行ったとき、「これは陶芸でもない、折り紙でもない」と、つっけんどんな対応をされたという話が印象的でした。私の第一印象は、逆に、陶芸であり、折り紙でもあるというものでしたので、その方とは、解釈が真逆でした。一家言を持てるほど陶芸には造詣は深くありませんけれど、陶芸紙で作ったものは陶芸とは呼べない、遊びだ――というような身もふたもない発言をされたようで、その内容にいささか疑問を抱かざるを得ませんでした。発言された方は、陶芸の分野の重鎮で、真剣に制作をされてきたがゆえの厳しい言葉だとは、頭では理解できます。誰でも手軽に扱えて、販売されている「洗練された」陶芸の製品よりも、良い意味でプリミティブな表現ができ、時には奔放なアイデアも実現可能である――それを遊びと呼ぶのであれば、確かに遊びなのでしょう。でも、遊びだからこそ、子ども達や高齢者、障碍者でも、自身の機能レベルに基づいて、頭ごなしに創造力を否定されることなく、気軽に取り組み、自由な表現、自由な製作が出来る。しかもそれが、時代を越えて何百年も残る。短時間の講習で基礎的な技術を伝えれば、生活困窮世帯の収入増加にもつなげることができる。これ以上、何を求めるのでしょう。これ程多くの喜びを与えてくれる素晴らしい遊びは、滅多にありません。

陶芸紙が完成してから四半世紀以上が過ぎ、陶芸センターをはじめ、青森のインストラクターの方や、宮崎の都農町の皆様、関東の各介護事業所の皆さん他、先達の弛まない努力を経て、長崎県や佐世保市など、自治体の方の海外出張のお土産などにも採用されただけでなく、新聞などにも続けて掲載され、ここ数年で、一気に世間に浸透しつつあります。傲慢な書き方をしてしまいますが、私が関わり始めた時期が、ちょうど、知る人ぞ知る存在から、誰でも気軽に楽しめる大衆芸術、あるいは新たな伝統工芸品へと変貌を遂げる境目と、幸運にも重なっているようで、先達者の皆さんのような苦労は特にしていないにも関わらず、興味深いタイミングで携わることになったその僥倖を甘受しつつ、縁というのは面白いなと実感している次第です。本業の方に時間を取られ、まだ確定申告の必要がない程度の活動しかできていませんが、それでも一生、何らかの形で制作を続けるのだろうという確信があるのも、我ながら、不思議に感じています。

陶芸家を含め、誰にとっても、おりがみ陶芸の体験は衝撃的ですが、一番インパクトを与えられるのは、折りあげた時ではなく、焼きあがった時です。自分で作った折り紙の鶴が、焼成と施釉という過程を経て、一つの陶芸作品になる。命が吹き込まれるというのは、こういうことかと感動します。その時味わった感動を伝えたいという想いが、私が講習会を受け、インストラクターとして活動を始めたきっかけとなっています。

願わくば、羽ばたく高貴な鶴よろしく、陶芸紙で作った折り鶴が、世界に広まりますように――

おりがみ陶芸センターの沿革(おりがみ陶芸センターのサイトより)

おりがみ陶芸は歴史と文化そして新たな創造の歴史です。

1990年 内装業を営みながら、セラミックス素材及び製品の研究を始める。
1990年04月 国内の幼稚園・保育園・小学校・中学校・高等学校・大学での体験を述べ1,000回以上実施。
2000年05月 青森県黒石市で、おりがみ陶芸品製造を開始。社団法人日本ホビー協会からホビー大賞奨励賞受賞
2001年04月 オランダ王室から折り鶴陶芸品贈呈に対する感謝状受領。
2001年11月 佐世保市の米軍基地で、幼稚園・小学生・保護者約500名におりがみ陶芸体験実施。
2008年07月 九十九島パールシーリゾート・九十九島動植物園森きらら・佐世保市少年化学館での体験会実施。
2010年 ドイツ・オランダ・ベルギー・カナダ・マレーシアで体験会実施。
2010年06月 宮崎県都農町観光協会で、観光誘致のため、おりがみ陶芸体験会実施中。
2010年11月 長崎県上五島町内中学校3校の美術教科で、地域特有の藪椿デザインを用いた鶴の作成を実施。
2011年09月 神奈川県相模原の通所介護事業所が、リハビリの一環として、おりがみ陶芸体験を導入。この施設の勧めにより関東付近の複数の施設が、リハビリメニューとして導入。
2014年02月 独立法人日本貿易振興機構(JETRO)が公募したドイツフランクフルトの国際見本市Ambiente2014(来場者14.4万人161ヶ国)で、ジャパンパビリオンに出店。
2014年11月 独立法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が公募した中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業(F/S支援事業)で、オランダやドイツの事業化可能性調査を実施。
2015年01月 長崎県知事がキリスト教教会群を世界遺産に推挙するための訪欧の際、お土産品として好評だったため、長崎県知事認定品として銘板入りで海外の大使等に贈呈。
2015年04月 F/S支援事業で訪問したオランダ・アムステルダムで、おりがみ陶芸品の店舗販売開始。
2015年04月 佐世保市のふるさと納税返礼品に掲載。平戸市の度島(離島)で、まちづくりの一環としておりがみ陶芸体験会を実施。特産品として商品開発中
2015年06月 ベルギー王国日本大使館の広報文化センターに、日本を代表する物として展示中。
2016年06月 オリンピック・パラリンピック向けのプロジェクトの一環行事「ものづくり・匠の技の祭典2016」に長崎県代表としての出店が決定。
2017年5月10日 佐世保市民文化ホールにて、米軍・自衛隊関係者を招いての体験会を実施。

資料

インストラクター講習について
インストラクター人数一覧
陶芸センターカタログと会社案内
おりがみ陶芸センター作の特大鶴を用いた、自衛隊の贈呈品
おりがみ陶芸センターの展示作品
陶芸紙などの販売価格
メディア紹介歴

おりがみ陶芸センターへのアクセス(おりがみ陶芸センターのサイトより)

〒857-0863 長崎県佐世保市三浦町6-13
TEL 0956-22-1162
FAX 0956-56-3691

最寄り駅よりのご案内

JR九州「佐世保駅」より徒歩約10分
佐世保市バス・西肥バス停留所「戸尾町」より徒歩約3分
九州自動車道「佐世保みなとIC」より車で5分

長崎県佐世保市生まれの「おりがみ陶芸」を中心に、鹿島錦など趣味のクラフトワークその他についてつらつらと綴るブログです。